用語集
全201件の神経科学用語を収録しています。
- 感覚
- 感覚(かんかく)とは、私たちが外界や自分の体の状態を認識するための基本的な情報収集の仕組みです。目(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)による特殊な感覚と、皮膚や筋肉、関節などから得られる触覚、痛覚、温度覚、位置覚などの体性感覚(たいせいかんかく)に分けられます。これらの情報は神経を通じて脳に送られ、私たちが世界を理解し、適切に行動するための土台となります。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第7回講義ノート 図2:ロンベルグ検査と姿勢制御 【図解】第8回講義ノート 図1:感覚―運動ループの仕組み 【図解】第13回講義ノート 図1:急性痛と慢性痛の違い 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第15回講義ノート 図1:しびれの二つのタイプ:知覚鈍麻と知覚異常 【図解】第15回講義ノート 図2:感覚検査における情報処理の滞り 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 【図解】第16回講義ノート 図2:小脳と大脳基底核の協調:動と静のバランス 【図解】第18回講義ノート 図1:視蓋脊髄路と前庭脊髄路による頭部安定化 【図解】第19回講義ノート 図1:脊髄における情報統合と前処理 【図解】第21回講義ノート 図1:下降性調整経路の全体像 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経系] 筋肉, 関節, 脳, 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査
- 脊髄
- 脊髄(せきずい)は、背骨(せぼね)の中を通る、太い神経の束です。脳と体の各部分を結ぶ主要な通信ケーブルのような役割を果たしており、脳からの指令を手足や内臓に伝えたり、体からの感覚情報(痛み、触覚、温度など)を脳に送り返したりしています。また、脳の関与なしに素早い反応を可能にする「反射」の中枢でもあります。脊髄の健康は、体の動きや感覚に直結する非常に重要な要素です。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第7回講義ノート 図1:下降性疼痛抑制系の構造 【図解】第8回講義ノート 図2:皮質脊髄路(錐体路)の経路 【図解】第9回講義ノート 図1:錐体外路の主要経路 【図解】第12回講義ノート 図1:運動制御の階層構造 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 【図解】第18回講義ノート 図1:視蓋脊髄路と前庭脊髄路による頭部安定化 【図解】第18回講義ノート 図2:橋網様体と延髄網様体の相反する作用 【図解】第19回講義ノート 図1:脊髄における情報統合と前処理 【図解】第21回講義ノート 図1:下降性調整経路の全体像 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第29回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路のコラム構造とオニオンスキン配置 [神経系] 内臓, 脳, 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動, 聴覚・前庭, 臨床検査
- 橋
- 橋(きょう)は、脳幹(のうかん)の一部で、中脳(ちゅうのう)と延髄(えんずい)の間に位置しています。名前の通り、大脳(だいのう)と小脳(しょうのう)の間で情報をやり取りする「橋渡し」のような重要な役割を果たしています。特に、顔の感覚や運動、眼球の動き、そして睡眠や覚醒といった生命維持に不可欠な機能の調節に関わる神経核(しんけいかく)が多数含まれています。 【図解】第18回講義ノート 図2:橋網様体と延髄網様体の相反する作用 【図解】第22回講義ノート 図1:縦橋線維と橋核の構造 【図解】第22回講義ノート 図2:中小脳脚の入出力関係 【図解】第23回講義ノート 図1:皮質橋小脳路と誤差検出のメカニズム 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図1:視運動性眼振(OKN)の神経経路と二相性メカニズム [神経系] 脳, 痛み, 感覚, 運動, 眼・視覚, 聴覚・前庭
- 大脳皮質
- 大脳皮質(だいのうひしつ)は、大脳の最も外側を覆う、しわの寄った灰色の層です。人間の思考、記憶、言語、意識的な運動など、高次の精神機能(こうじのせいしんきのう)を司る「司令塔」のような役割を果たしています。この皮質は、感覚情報を受け取って処理し、複雑な意思決定を行う中枢であり、局在神経学では、特定の機能が皮質の特定の領域(例:運動野、体性感覚野)に割り当てられていることが重要な概念となります。 【図解】第7回講義ノート 図1:下降性疼痛抑制系の構造 【図解】第8回講義ノート 図2:皮質脊髄路(錐体路)の経路 【図解】第12回講義ノート 図1:運動制御の階層構造 【図解】第21回講義ノート 図1:下降性調整経路の全体像 【図解】第22回講義ノート 図1:縦橋線維と橋核の構造 【図解】第23回講義ノート 図1:皮質橋小脳路と誤差検出のメカニズム 【図解】第31回講義ノート 図2:聴覚路の第7次ニューロン伝達と大脳皮質の左右性 [神経系] 脳, 脊髄, 痛み, 感覚, 運動, 聴覚・前庭
- 左右の入力差
- 神経学的検査の核心。患者の主観に惑わされず、感覚刺激に対する左右の脳応答の差(エラー)を客観的に抽出すること。障害局在の特定に不可欠。 [臨床神経学] 感覚, 臨床検査
- 感覚受容器
- 感覚受容器(かんかくじゅようき)は、私たちの体や周囲の環境で起こる様々な変化(刺激)をキャッチする専門の細胞や神経終末(しんけいしゅうまつ)のことです。光、音、圧力、温度、化学物質などの刺激を電気信号(でんきしんごう)に変換し、この信号が神経を通って脳に送られることで、「熱い」「痛い」「明るい」といった感覚として認識されます。これは、外部の情報を脳が理解できる言葉に翻訳する、最初のステップを担っています。 [神経系] 感覚
- 2点識別覚
- 皮膚に2つの刺激点が同時に加えられた時、それを2つの別々の刺激として認識する能力。大脳皮質の感覚処理機能を評価する重要な検査項目。 [臨床神経学] 脳, 感覚, 臨床検査
- 知覚鈍麻
- 知覚鈍麻(ちかくどんま)とは、皮膚などで感じる感覚(触覚、痛覚、温度覚など)が通常よりも鈍くなったり、弱くなったりする状態を指します。感覚を伝える神経経路の一部に障害が起こることで生じ、触っていることはわかるものの、その感覚がぼんやりしている、または弱くしか感じられないといった症状が現れます。特に、局所的な神経の損傷や圧迫によって、その神経が支配する特定の領域にのみ感覚の低下が見られることが、局在神経学において重要な所見となります。 【図解】第15回講義ノート 図1:しびれの二つのタイプ:知覚鈍麻と知覚異常 [神経系] 痛み, 感覚
- 情報の交通整理
- 情報の交通整理とは、中枢神経系が感覚入力(侵害受容、触覚、固有受容など)を適切に選別・統合し、出力(運動指令や疼痛知覚)を調整する機能である。特に慢性疼痛においては、この選別・統合機能(ゲートコントロールや下降性疼痛抑制系など)の破綻が、痛みの増幅や持続に深く関与する。臨床的には、この破綻した情報処理能力を再構築するアプローチが重要となる。 [臨床神経学] 痛み, 感覚, 運動
- 腹壁反射
- 腹壁反射(ふくへきはんしゃ)は、お腹の皮膚を軽くこすったときに、刺激された側の腹筋がピクッと収縮する反射です。これは、皮膚の感覚が脊髄(せきずい)を通り、運動神経に伝わって起こる、比較的単純な神経の経路(反射弓)で確認されます。この反射の有無や強さを調べることで、脊髄や大脳皮質(だいのうひしつ)から脊髄への神経伝達経路に異常がないかを確認する、重要な神経学的検査の一つです。 [神経系] 筋肉, 脳, 脊髄, 感覚, 運動, 臨床検査
- デッドロック
- 脳血管障害後の患者に対し、無理な他動運動や筋力トレーニングにより、末梢受容器からの中枢へのエラー信号が増長され、神経系が疲弊する状態。中枢神経系が「動かない」という事実を学習してしまう。 [臨床神経学] 筋肉, 感覚, 運動, 血管・循環
- 侵害刺激
- 侵害刺激(しんがいしげき)とは、組織の損傷や、損傷を引き起こす可能性のある有害な刺激全般のことを指します。具体的には、熱すぎる・冷たすぎる温度、鋭い圧力、または特定の化学物質などが含まれます。この刺激は、私たちの体にある「侵害受容器(痛みを感じるセンサー)」によって感知され、危険を脳に伝えることで、私たちが痛みとして認識し、その危険から逃れるための行動を促す重要な役割を果たしています。 [神経系] 痛み, 感覚
- 二重抑制
- 二重抑制(にじゅうよくせい)とは、神経回路(しんけいかいろ)において、ある神経細胞(しんけいさいぼう)が別の神経細胞を「抑制」し、その抑制された細胞がさらに次の細胞を「抑制」する、という二段階の制御メカニズムのことです。結果として、最終的な細胞の活動は「促進」されます。これは、ブレーキを二度踏むことで、間接的にアクセルを踏むような効果を生み出す複雑な情報処理の仕組みで、運動の協調性や感覚情報のフィルタリングなど、脳の精密な働きに不可欠な制御方法です。 【図解】第17回講義ノート 図2:前角細胞への二重抑制メカニズム [神経系] 脊髄, 感覚, 運動
- 下降性調整経路
- 下降性調整経路(かこうせい ちょうせい けいろ)は、脳のより高次な中枢(例:大脳皮質(だいのうひしつ)や脳幹(のうかん))から脊髄(せきずい)へと情報を送る神経のルートです。この経路の主な役割は、運動の開始や調整、姿勢の制御、さらには痛みの感覚の強さを「調整(ちょうせい)」することです。特に、痛みを和らげる(鎮痛)作用を持つ神経伝達物質を放出し、痛みの信号が脳に伝わるのを抑制する重要な働きを担っています。 【図解】第17回講義ノート 図1:T6を境界とした屈筋抑制のメカニズム 【図解】第17回講義ノート 図2:前角細胞への二重抑制メカニズム 【図解】第21回講義ノート 図1:下降性調整経路の全体像 【図解】第21回講義ノート 図2:1Aと1Bの使い分け [神経系] 筋肉, 脳, 脊髄, 痛み, 感覚, 運動
- リマッピング
- リマッピングとは、脳が特定の機能の担当領域を再編成(さいへんせい)する現象のことです。例えば、失われた手足の感覚を顔や体幹(たいかん)の領域が引き継ぐなど、大脳皮質(だいのうひしつ)の地図が書き換えられます。これは脳の持つ可塑性(かそせい)(柔軟に変化する能力)の重要な現れであり、損傷からの回復や新しい技能の習得を可能にする基本的なメカニズムです。 [神経系] 脳, 感覚
- 筋紡錘
- 筋紡錘(きんぼうすい)は、骨格筋(こっかくきん)の内部に存在する小さな感覚受容器(かんかくじゅようき)です。筋肉の長さとその変化の速さを常に監視(かんし)しているセンサーの役割を果たしています。この情報が脊髄(せきずい)や脳に送られることで、無意識のうちに筋肉の緊張度(きんちょうど)が調節され、姿勢の維持や円滑な運動制御(うんどうせいぎょ)に役立っています。有名な膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)などの「伸張反射(しんちょうはんしゃ)」を引き起こす起点でもあります。 【図解】第11回講義ノート 図1:筋紡錘の構造と働き 【図解】第11回講義ノート 図2:単シナプス反射と多シナプス反射の比較 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 【図解】第19回講義ノート 図1:脊髄における情報統合と前処理 【図解】第19回講義ノート 図2:単シナプス反射の三層構造 【図解】第20回講義ノート 図1:α-γ連関のメカニズム 【図解】第20回講義ノート 図2:ゲインとセンシビリティの関係 【図解】第21回講義ノート 図2:1Aと1Bの使い分け [神経系] 筋肉, 関節, 脳, 脊髄, 感覚, 運動, 臨床検査
- レイテンシ
- レイテンシ(Latency)とは、ある刺激が与えられてから、それに対する脳や神経系の応答(反応)が実際に観察されるまでの「時間的な遅れ」のことです。神経伝導の速度や、脳内で情報処理が行われる時間などによって生じます。例えば、光を見た瞬間に「見た」と認識するまでのわずかな時間差がこれにあたります。レイテンシを測定することで、特定の感覚経路や認知機能の処理速度を評価することができます。 [神経系] 末梢神経, 感覚
- ゲートコントロール機構
- ゲートコントロール機構(ゲートコントロールきこう)は、痛みの感覚が脳へ伝わるのを脊髄(せきずい)のレベルで「門(ゲート)」のように調節する仕組みです。皮膚をさすったり温めたりといった非侵害的な刺激(ひしんがい-てきな-しげき)が、痛みを伝える細い神経線維(しんけいせんい)の信号よりも優先的に脊髄の「門」を閉じさせ、その結果、脳へ伝わる痛みの情報量を減らして痛みを和らげる役割を果たしています。この理論は、痛みの治療法(ちりょうほう)やTENS(経皮的電気神経刺激)などの開発に大きく貢献しました。 [神経系] 脊髄, 痛み, 感覚, 治療・リハビリ
- 胸髄核
- 胸髄核(きょうずいかく)は、脊髄(せきずい)の胸部にある神経細胞の集まりです。主に、体幹や下肢の筋肉や関節から受け取った感覚情報(固有受容感覚)を小脳(しょうのう)へ中継する重要な役割を担っています。この情報伝達により、小脳は体の位置や動きを正確に把握し、バランスや運動の協調性を保つことができます。特に、後脊髄小脳路(こうせきずいしょうのうろ)と呼ばれる伝導路の起点となる細胞群として知られています。 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 [神経系] 筋肉, 関節, 脳, 脊髄, 感覚, 運動
- センサーモーター・ループ
- センサーモーター・ループとは、感覚(センサー)と運動(モーター)が連携して動作を調整する仕組みのことです。例えば、熱いものに触れたとき、皮膚の感覚情報が脳に伝わり(入力)、脳が「手を離せ」という指令を筋肉に送る(出力)ことで、素早く手を引っ込めます。この一連の「入力→処理→出力→結果のフィードバック」の循環(ループ)によって、私たちは環境に適応した正確で滑らかな動作を行うことができます。 [神経系] 筋肉, 感覚, 運動, 血管・循環
- 介在ニューロン
- 介在ニューロン(かいざいニューロン)は、感覚ニューロンと運動ニューロンの間に位置し、情報を中継・統合する役割を担う神経細胞です。脳や脊髄(せきずい)といった中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)の大部分を占めています。単純な反射だけでなく、複雑な思考や運動の調整において、情報の処理や回路の制御を行う、非常に重要な「つなぎ役」を果たしています。 【図解】第17回講義ノート 図2:前角細胞への二重抑制メカニズム [神経系] 脊髄, 感覚, 運動, 臨床検査
- 遠心性コピー
- 遠心性コピー(えんしんせいコピー)とは、運動指令が大脳皮質(だいのうひしつ)の運動野から筋肉へ送られる際に、その指令の「複製(コピー)」が感覚を処理する脳の領域にも同時に送られる現象です。このコピーは、自分の運動によって生じる感覚(例えば、腕を動かしたときの皮膚の感覚など)を予測し、その予測と実際の感覚を比較するために使われます。これにより、脳は外部からの刺激による感覚と、自分の動きによる感覚を区別し、運動の正確な調整や、知覚の安定性を保つ役割を果たしています。 【図解】第12回講義ノート 図2:遠心性コピー(エフェレンスコピー)の仕組み [神経系] 筋肉, 脳, 感覚, 運動
- 小脳
- 小脳(しょうのう)は、大脳(たいのう)の後ろ下部に位置する、小さな脳の構造です。主な役割は、運動の協調性(きょうちょうせい)とバランスの維持(いじ)です。私たちが滑らかに歩いたり、正確に物に手を伸ばしたりできるのは、小脳が運動の計画と実行の誤差を修正しているからです。平衡感覚(へいこうかんかく)や姿勢の制御にも不可欠で、障害されると運動失調(うんどうしっちょう)というふらつきが生じます。 【図解】第12回講義ノート 図1:運動制御の階層構造 【図解】第12回講義ノート 図2:遠心性コピー(エフェレンスコピー)の仕組み 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 【図解】第16回講義ノート 図2:小脳と大脳基底核の協調:動と静のバランス 【図解】第19回講義ノート 図1:脊髄における情報統合と前処理 【図解】第22回講義ノート 図1:縦橋線維と橋核の構造 【図解】第22回講義ノート 図2:中小脳脚の入出力関係 【図解】第23回講義ノート 図1:皮質橋小脳路と誤差検出のメカニズム 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図1:視運動性眼振(OKN)の神経経路と二相性メカニズム [神経系] 脳, 脊髄, 痛み, 感覚, 運動, 眼・視覚, 聴覚・前庭
- 局在神経学
- 局在神経学(きょくざいしんけいがく)は、脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)の特定の場所(局所)に生じた病変(びょうへん)が、体のどの機能(運動、感覚、言語など)の異常(症状)として現れるかを詳細に調べる医学分野です。この学問の目的は、患者さんの症状から病変のある正確な位置(部位診断)を特定し、適切な治療につなげることです。神経経路(しんけいけいろ)の解剖学的な知識が非常に重要になります。 [神経系] 脊髄, 感覚, 運動, 臨床検査, 治療・リハビリ
- 感覚入力
- 感覚入力(かんかくにゅうりょく)とは、私たちの体が外界や体内から情報を受け取るプロセスのことです。目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚受容器(かんかくじゅようき)が光、音、におい、味、触覚、温度などの刺激を電気信号に変換し、神経(しんけい)を介して脳や脊髄(せきずい)に送られます。この情報が処理されることで、私たちは周囲の状況を認識し、適切に行動することができます。 【図解】第8回講義ノート 図1:感覚―運動ループの仕組み 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 [神経系] 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 嚥下・発声, 臨床検査
- 縁辺細胞
- 縁辺細胞(えんぺんさいぼう)は、神経系の特定の領域、特に脊髄(せきずい)の後角(こうかく)の最も外側、つまり「縁(ふち)」に位置する神経細胞のグループです。これらの細胞は、皮膚などからの感覚情報、特に痛みや温度といった重要な信号を最初に受け取る役割を担っています。受け取った情報を脊髄内の他の神経細胞や脳へと伝える「感覚入力の最初の門番」のような働きをしており、感覚処理の初期段階において非常に重要です。 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 [神経系] 脳, 脊髄, 痛み, 感覚, 運動
- 表在感覚
- 表在感覚(ひょうざいかんかく)とは、皮膚で感じ取る感覚の総称です。具体的には、「触覚(しょくかく)」(触れた感じ)、「痛覚(つうかく)」(痛み)、「温度覚(おんどかく)」(熱さや冷たさ)の三つを指します。これらの感覚は、皮膚の表面にある受容器(じゅようき)で受け取られ、主に体の表面の安全を守る役割を果たしています。この感覚の異常は、末梢神経(まっしょうしんけい)や脊髄(せきずい)の病変を特定する上で重要な指標となります。 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 [神経系] 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚
- メルケル盤
- メルケル盤(メルケルばん)は、皮膚の最も外側(表皮)の基底層に存在する、非常にゆっくりと適応する機械受容器(きかいじゅようき)です。触覚の中でも特に、持続的な圧迫や、物の形・輪郭(りんかく)を識別する能力に優れています。この受容器は、触れたものの詳細な特徴を脳に伝える役割を担っており、指先の精密な作業や、点字を読む際などに重要な働きをします。メルケル細胞(さいぼう)とそれに結合する神経終末(しんけいしゅうまつ)から構成されています。 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 [神経系] 感覚
- ルフィニ終末
- ルフィニ終末(ルフィニしゅうまつ)は、皮膚の深部や関節、腱などに存在する、ゆっくりと順応する(刺激が持続しても信号を送り続ける)タイプの機械受容器(きかいじゅようき)です。主に、持続的な圧迫や皮膚の伸展(伸び)、関節の位置や動きの変化といった情報を感知しています。これにより、私たちが体のどの部分がどのように曲がっているか(固有受容感覚)や、持続的に何かに触れている感覚を脳に伝える重要な役割を担っています。 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 [神経系] 筋肉, 関節, 感覚
- 自律神経
- 自律神経(じりつしんけい)は、私たちが意識しなくても、心臓の鼓動、呼吸、消化、体温調節など、生命維持に必要な体の働きを自動でコントロールしている神経システムです。アクセルの役割を果たす交感神経(こうかんしんけい)と、ブレーキの役割を果たす副交感神経(ふくこうかんしんけい)の2つから成り立っており、これらがバランスを取りながら体の内部環境を一定に保つ(ホメオスタシス)重要な役割を担っています。 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第27回講義ノート 図1:視運動性眼振(OKN)の神経経路と二相性メカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 [神経系] 筋肉, 内臓, 脊髄, 末梢神経, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 臨床検査
- 感覚運動ループ
- 感覚運動ループ(かんかくうんどうループ)とは、私たちが何か行動を起こす際に、感覚(見る、触るなど)の情報と運動(体を動かす)の指令が連携して円滑な動作を実現する仕組みのことです。具体的には、外界からの情報が脳に伝わり(感覚入力)、それに基づいて運動の計画が立てられ、筋肉に指令が送られます(運動出力)。さらに、その動作の結果が再び感覚としてフィードバックされ、次の動作の調整に使われます。これにより、私たちは環境に素早く正確に対応した行動を連続して行うことができるのです。 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 [神経系] 筋肉, 感覚, 運動, 自律神経
- T6
- T6(ティーろく)は、胸髄(きょうずい)と呼ばれる背骨の中の神経レベルの一つで、第6胸椎(きょうつい)の高さから出る脊髄神経(せきずいしんけい)を指します。この神経は主に体幹、特に胸部や上腹部の感覚と、呼吸に関わる筋肉の一部を支配しています。T6レベルでの損傷は、このレベル以下の感覚や運動機能に影響を及ぼし、特に腹筋の一部麻痺や体温調節の困難さ(自律神経反射異常)につながることがあります。局在神経学において、体幹の感覚レベルを特定する際の重要な指標の一つです。 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第17回講義ノート 図1:T6を境界とした屈筋抑制のメカニズム [神経系] 筋肉, 脊髄, 感覚, 運動, 自律神経, 臨床検査
- 胸椎6番
- 胸椎(きょうつい)6番は、背骨(せぼね)を構成する12個の胸の骨(椎骨)のうち、上から数えて6番目のものです。この骨の高さからは、主に体幹(たいかん)の安定性や動きに関わる神経が左右に分かれて出ています。特に、腹筋の一部や背中の筋肉、そして肋間(ろっかん)の感覚を司る神経経路の一部がこの椎骨のレベルと関連しています。脊髄(せきずい)の保護という重要な役割も担っています。 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 [神経系] 筋肉, 脊髄, 感覚
- 位置覚
- 位置覚(いちかく)とは、目で見なくても、自分の体(手足や関節など)がどのような角度で、どの位置にあるかを正確に感じ取る能力のことです。この感覚は、筋肉や腱、関節の中にある「固有受容器(こゆうじゅようき)」というセンサーからの情報に基づいており、脳が体の姿勢や動きを把握し、スムーズな動作を計画・実行するために不可欠な機能です。バランスを保ったり、暗闇で物を掴んだりする際にも重要な役割を果たしています。 [神経系] 筋肉, 関節, 感覚, 運動
- 触覚
- ---
触覚(しょくかく)とは、皮膚を通して外界の物理的な刺激(圧力、振動、接触など)を感じ取る感覚のことです。これは、皮膚に存在する特殊な感覚受容器(しんけいじゅようき)が刺激を受け取り、その情報が末梢神経(まっしょうしんけい)を通って脊髄(せきずい)から大脳皮質(だいのうひしつ)の体性感覚野(たいせいかんかくや)に送られることで認識されます。触覚は、物体を識別したり、痛みや温度を感じるための重要な基盤となる感覚です。
--- 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 [神経系] 脳, 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚
- 二点識別覚
- 二点識別覚(にてんしきべつかく)とは、皮膚の感覚の鋭敏(えいびん)さを測る指標の一つです。皮膚上のごく近い二点に同時に刺激を与えたとき、それを「一点」ではなく「二点」として区別できる最小の距離のことです。この距離が短いほど、その部位の触覚(しょっかく)の感度が高い、つまり脳の体性感覚野(たいせいかんかくや)において、その部位に割り当てられている領域が広いことを示しています。指先や唇(くちびる)は特に鋭敏です。 [神経系] 感覚
- 振動覚
- 振動覚(しんどうかく)は、音叉(おんさ)などの振動(ふるえ)を皮膚(ひふ)や骨(ほね)を通して感じる感覚のことです。これは、触覚(しょくかく)の一種で、特に速い機械的な刺激を感知する能力です。振動覚は、深部感覚(しんぶかんかく)の一部として、関節(かんせつ)の位置や体の動きを把握する上でも重要な役割を果たしています。この感覚が低下すると、末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)などの病気が疑われることがあります。 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 [神経系] 関節, 末梢神経, 感覚
- ロンベルグ試験
- ロンベルグ試験(しけん)は、患者(かんじゃ)さんに目を閉じた状態で立ってもらい、体の揺れを観察(かんさつ)する神経学的(しんけいがくてき)な検査(けんさ)です。主に、体の平衡感覚(へいこうかんかく)を保つために重要な、脊髄(せきずい)を通る深部感覚(しんぶかんかく)(位置や動きを感じる感覚)の障害(しょうがい)がないかを調べます。目が開いている状態では視覚(しかく)で補(おぎな)えますが、目を閉じて揺れが大きくなる場合は、深部感覚の異常(いじょう)が疑(うたが)われます。 [神経系] 脊髄, 感覚, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 臨床検査
- 単シナプス反射
- 単シナプス反射(たんシナプスはんしゃ)とは、反射弓(はんしゃきゅう)の中で、感覚ニューロン(かんかくニューロン)と運動ニューロン(うんどうニューロン)がたった一つのシナプス(神経細胞間の接合部)を介して直接結合し、応答が起こる最も単純な反射のことです。膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)(膝の下を叩く検査)が代表的で、刺激に対して非常に速く筋肉が収縮する役割を持っています。この単純な構造により、遅延が少なく、素早い身体の制御に貢献しています。 【図解】第11回講義ノート 図2:単シナプス反射と多シナプス反射の比較 【図解】第19回講義ノート 図2:単シナプス反射の三層構造 [神経系] 筋肉, 関節, 感覚, 運動, 臨床検査
- 知覚異常
- 知覚異常(ちかくいじょう)とは、触覚(しょっかく)や温度覚(おんどかく)など、体の感覚が異常に感じられる状態を指します。具体的には、痛みがないのにチクチク、ジンジンとしたしびれを感じたり、触れていないのに熱い、冷たいと感じたりする感覚です。これは、末梢神経(まっしょうしんけい)の損傷や、感覚を処理する脊髄(せきずい)や脳の経路に問題が生じることで起こります。感覚過敏(かんかくかびん)や感覚鈍麻(かんかくどんま)といった症状も知覚異常に含まれます。 【図解】第15回講義ノート 図1:しびれの二つのタイプ:知覚鈍麻と知覚異常 [神経系] 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚
- 多シナプス反射
- 多シナプス反射(たシナプスはんしゃ)とは、感覚受容器から受け取った情報が、脊髄(せきずい)内で複数の介在ニューロン(かいざいニューロン)を介して運動ニューロンに伝達され、筋肉の収縮を引き起こす複雑な反射のことです。単シナプス反射(たんシナプスはんしゃ)と異なり、複数の神経細胞の「つなぎ目」(シナプス)を経由するため、より柔軟で協調的な動作、例えば手足を引っ込める「屈曲反射(くっきょくはんしゃ)」などを可能にする役割があります。これは、危険から身体を守るための重要な防御機構です。 【図解】第11回講義ノート 図2:単シナプス反射と多シナプス反射の比較 [神経系] 筋肉, 関節, 脊髄, 感覚, 運動, 臨床検査
- 前大脳動脈
- 大脳の内側面と上側面を支配する主要な脳血管。帯状回や下肢の運動・感覚エリアを支配し、この動脈の障害は足の麻痺や歩行困難に直結する。 [神経解剖学] 脳, 感覚, 運動, 血管・循環
- 閾値 (いきち) Threshold
- 神経や受容器が反応を起こすために必要な最小刺激強度。閾値が高いほど反応しにくく(高閾値)、低いほど反応しやすい(低閾値)。炎症性メディエーターやストレスにより閾値が低下すると、通常では痛みを感じない刺激でも発火する「過敏化(感作)」が生じる。 [生理学] 痛み, 感覚, 情動・心理
- 異常感覚 (いじょうかんかく) Paresthesia
- 外的刺激なしに生じる異常な感覚。ピリピリ感、チクチク感、灼熱感などを含む。一般的に「しびれ」と表現されることが多い。 [神経学] 感覚
- 異常知覚 (いじょうちかく)
- 侵害受容器が低頻度で不適切に発火している状態。患者が「シビレ」と訴える症状の正体。 [感覚系] 痛み, 感覚
- 1A線維 (いちえーせんい)
- 筋紡錘からの情報を伝える太い有髄神経線維。深部固有感覚を担い、姿勢の把握に重要な役割を果たす。 [解剖学] 筋肉, 末梢神経, 感覚, 運動
- 位置覚 (いちかく)
- 目を閉じた状態でも、自分の体の各部位がどこにあるかを認識できる感覚。固有受容感覚の一種。 感覚
- 1B線維 (いちびーせんい)
- 腱器官からの情報を伝える太い有髄神経線維。深部固有感覚を担い、姿勢の把握に重要な役割を果たす。 [解剖学] 筋肉, 末梢神経, 感覚, 運動
- Aα線維 (えーあるふぁせんい) A-alpha fiber
- 最も太い有髄神経線維(直径12〜20μm)。伝導速度は70〜120 m/sと最速。筋紡錘の一次終末(1A線維)や腱器官(1B線維)からの固有感覚情報を伝える。運動・姿勢制御の中核を担う。 [感覚系] 筋肉, 末梢神経, 感覚, 運動
- Aγ線維 (えーがんませんい) A-gamma fiber
- 有髄神経線維(直径2〜8μm)。伝導速度15〜30 m/s。筋紡錘の錘内筋線維を支配し、筋紡錘の感度(感受性)を調整するγ運動ニューロンの軸索。1A線維と密接に連携し、筋の感度が適切に保たれないと身体は微細な変化を「脅威(痛み)」と誤認する。 [感覚系] 筋肉, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動