用語集
全82件の神経科学用語を収録しています。
- 自律神経
- 自律神経(じりつしんけい)は、私たちが意識しなくても、心臓の鼓動、呼吸、消化、体温調節など、生命維持に必要な体の働きを自動でコントロールしている神経システムです。アクセルの役割を果たす交感神経(こうかんしんけい)と、ブレーキの役割を果たす副交感神経(ふくこうかんしんけい)の2つから成り立っており、これらがバランスを取りながら体の内部環境を一定に保つ(ホメオスタシス)重要な役割を担っています。 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第27回講義ノート 図1:視運動性眼振(OKN)の神経経路と二相性メカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 [神経系] 筋肉, 内臓, 脊髄, 末梢神経, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 臨床検査
- 感覚入力
- 感覚入力(かんかくにゅうりょく)とは、私たちの体が外界や体内から情報を受け取るプロセスのことです。目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚受容器(かんかくじゅようき)が光、音、におい、味、触覚、温度などの刺激を電気信号に変換し、神経(しんけい)を介して脳や脊髄(せきずい)に送られます。この情報が処理されることで、私たちは周囲の状況を認識し、適切に行動することができます。 【図解】第8回講義ノート 図1:感覚―運動ループの仕組み 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 [神経系] 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 嚥下・発声, 臨床検査
- 吸気
- 吸気(きゅうき)とは、横隔膜や外肋間筋の収縮により胸腔が拡大し、肺内に外気を取り込む能動的な生理現象である。これは自律神経系によって制御される生命維持に必須のプロセスであり、酸素を取り込み二酸化炭素を排出するガス交換の第一段階を担う。呼吸パターンは姿勢制御や疼痛閾値にも影響を与えるため、臨床的には重要である。 [生理学] 筋肉, 内臓, 痛み, 運動, 自律神経
- 延髄
- 延髄(えんずい)は、脳幹(のうかん)の最も下部に位置する重要な部分です。心臓の拍動や呼吸、血圧の調整といった、生命維持に不可欠な基本的な自律機能(じりつきのう)を司っています。また、嚥下(えんげ:飲み込むこと)や嘔吐(おうと)などの反射中枢(はんしゃちゅうすう)も含んでおり、大脳と脊髄(せきずい)をつなぐ神経伝達の通り道としての役割も担っています。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第18回講義ノート 図2:橋網様体と延髄網様体の相反する作用 【図解】第29回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路のコラム構造とオニオンスキン配置 [神経系] 内臓, 脳, 脊髄, 末梢神経, 運動, 自律神経, 血管・循環, 嚥下・発声, 臨床検査
- 脳幹
- 脳幹(のうかん)は、大脳(たいのう)と脊髄(せきずい)をつなぐ、脳の土台のような重要な部分です。主に中脳(ちゅうのう)、橋(きょう)、延髄(えんずい)の三つの部分から成り立っています。呼吸や心拍、血圧の調整、意識の維持など、生命維持に不可欠な基本的な機能をコントロールしています。また、顔や目、舌などを動かすための神経(脳神経)の通り道や出発点でもあります。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第27回講義ノート 図1:視運動性眼振(OKN)の神経経路と二相性メカニズム 【図解】第29回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第31回講義ノート 図2:聴覚路の第7次ニューロン伝達と大脳皮質の左右性 [神経系] 筋肉, 脳, 脊髄, 末梢神経, 運動, 自律神経, 血管・循環, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 嚥下・発声
- IML
- IML(あいえむえる)は、Intermediolateral Cell Column(中間外側細胞柱(ちゅうかんがいそくさいぼうちゅう))の略で、脊髄(せきずい)の灰白質(かいはくしつ)に存在する細胞集団です。自律神経系(じりつしんけいけい)の交感神経(こうかんしんけい)の節前(せつぜん)ニューロンがここに集まっており、心臓の拍動や血圧の調整、消化管の動きなど、意識とは無関係に体の機能を制御する指令を末梢(まっしょう)に送る重要な役割を担っています。特に胸髄(きょうずい)から上部腰髄(ようずい)にかけて存在します。 [神経系] 内臓, 脊髄, 自律神経, 血管・循環
- 中間外側細胞柱
- 中間外側細胞柱(ちゅうかんがいそくさいぼうちゅう)は、脊髄(せきずい)の胸髄(きょうずい)および上部腰髄(じょうぶようずい)の特定の部分にある、自律神経系(じりつしんけいけい)の重要な神経細胞の集まりです。この細胞柱は、主に交感神経(こうかんしんけい)の活動を制御する出発点となっており、心臓の拍動、血管の収縮、消化器系の動きなど、意識とは無関係に体の機能を調整する役割を担っています。ここから出た信号が、体の各器官に送られ、緊急時や活動時に体が適切に反応できるように調整しています。 [神経系] 筋肉, 内臓, 脊髄, 自律神経, 血管・循環
- 副交感神経
- 副交感神経(ふくこうかんしんけい)は、自律神経(じりつしんけい)の一部で、「休息と消化」を司る神経系です。体がリラックスしている時に働き、心拍数を下げたり、血圧を安定させたり、消化活動を促進したりする役割があります。戦ったり逃げたりする時に働く交感神経(こうかんしんけい)とバランスを取りながら、体のエネルギーを温存し、回復させるために重要な働きをしています。 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経系] 筋肉, 運動, 自律神経, 血管・循環, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査
- 中大脳動脈
- 大脳外側面の広範囲を支配する最大の脳血管。言語野(ブローカ・ウェルニッケ)や前頭眼野を含む。その枝であるレンズ核線条体動脈は脆弱で、高血圧による破綻が錐体路への致命的なダメージを招く。 [神経解剖学] 脳, 脊髄, 運動, 自律神経, 血管・循環, 眼・視覚
- レンズ核線条体動脈
- 中大脳動脈の枝で、脳卒中動脈とも呼ばれる。非常に脆弱で、高血圧等による破綻が錐体路への致命的なダメージを招く。脳卒中の最も一般的な原因の一つ。 [神経解剖学] 脳, 脊髄, 運動, 自律神経, 血管・循環
- 感覚運動ループ
- 感覚運動ループ(かんかくうんどうループ)とは、私たちが何か行動を起こす際に、感覚(見る、触るなど)の情報と運動(体を動かす)の指令が連携して円滑な動作を実現する仕組みのことです。具体的には、外界からの情報が脳に伝わり(感覚入力)、それに基づいて運動の計画が立てられ、筋肉に指令が送られます(運動出力)。さらに、その動作の結果が再び感覚としてフィードバックされ、次の動作の調整に使われます。これにより、私たちは環境に素早く正確に対応した行動を連続して行うことができるのです。 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 [神経系] 筋肉, 感覚, 運動, 自律神経
- 交感神経
- 交感神経(こうかんしんけい)は、自律神経系(じりつしんけいけい)の一部で、主に身体を「闘争か逃走(fight-or-flight)」の状態に準備させる役割を担っています。ストレスや危険を感じた際に活性化し、心拍数や血圧を上げ、瞳孔(どうこう)を広げ、筋肉への血流を増やすなど、緊急事態に対応するためのエネルギーを動員します。リラックス時や休息時に優位になる副交感神経(ふくこうかんしんけい)と対になって、身体のバランスを保っています。 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経系] 筋肉, 運動, 自律神経, 血管・循環, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 情動・心理, 臨床検査
- 呼気
- 呼気(Expiration)は、肺内の二酸化炭素を多く含むガスを体外へ排出する生理現象である。これは主に横隔膜や肋間筋の弛緩による胸腔容積の減少によって受動的に行われるが、強制呼気時には腹筋群が能動的に関与する。自律神経系と深く関連し、呼吸パターンは心拍変動や疼痛閾値にも影響を与えるため、臨床ではリラクセーションや体幹安定化の指標として重要視される。 [生理学] 筋肉, 内臓, 痛み, 自律神経
- 対光反射
- 対光反射(たいこうはんしゃ)は、目に入ってくる光の量に応じて瞳孔(どうこう)の大きさが自動的に変わる反射です。明るい場所では瞳孔が小さくなり(縮瞳)、目に入る光を制限して網膜(もうまく)を保護し、暗い場所では瞳孔が大きくなり(散瞳)、より多くの光を取り込んで視覚を助けます。この反射は、脳幹(のうかん)と呼ばれる生命維持に重要な部分の機能が正常であるかを評価するための重要な指標として、神経学的検査で用いられます。 [神経系] 脳, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- CeLC
- 扁桃体中心核の外側部分(Centrolateral part of Central nucleus)。自律神経反応を制御する重要な領域。 [神経解剖学] 脳, 自律神経, 情動・心理
- 感覚
- 感覚(かんかく)とは、私たちが外界や自分の体の状態を認識するための基本的な情報収集の仕組みです。目(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)による特殊な感覚と、皮膚や筋肉、関節などから得られる触覚、痛覚、温度覚、位置覚などの体性感覚(たいせいかんかく)に分けられます。これらの情報は神経を通じて脳に送られ、私たちが世界を理解し、適切に行動するための土台となります。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第7回講義ノート 図2:ロンベルグ検査と姿勢制御 【図解】第8回講義ノート 図1:感覚―運動ループの仕組み 【図解】第13回講義ノート 図1:急性痛と慢性痛の違い 【図解】第13回講義ノート 図2:表在感覚の4つの主要受容器 【図解】第14回講義ノート 図1:感覚運動ループと自律神経の関係 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第15回講義ノート 図1:しびれの二つのタイプ:知覚鈍麻と知覚異常 【図解】第15回講義ノート 図2:感覚検査における情報処理の滞り 【図解】第16回講義ノート 図1:脊髄の前処理機能と小脳への情報伝達 【図解】第16回講義ノート 図2:小脳と大脳基底核の協調:動と静のバランス 【図解】第18回講義ノート 図1:視蓋脊髄路と前庭脊髄路による頭部安定化 【図解】第19回講義ノート 図1:脊髄における情報統合と前処理 【図解】第21回講義ノート 図1:下降性調整経路の全体像 【図解】第23回講義ノート 図2:下降性疼痛抑制と暖気運転のメカニズム 【図解】第27回講義ノート 図2:三叉神経(CN V)の眼神経枝と涙分泌反射のメカニズム 【図解】第28回講義ノート 図1:三叉神経の硬膜枝と脳脊髄液(CSF)の力学 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路のコラム構造とオニオンスキン配置 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経系] 筋肉, 関節, 脳, 脊髄, 末梢神経, 痛み, 感覚, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査
- T6
- T6(ティーろく)は、胸髄(きょうずい)と呼ばれる背骨の中の神経レベルの一つで、第6胸椎(きょうつい)の高さから出る脊髄神経(せきずいしんけい)を指します。この神経は主に体幹、特に胸部や上腹部の感覚と、呼吸に関わる筋肉の一部を支配しています。T6レベルでの損傷は、このレベル以下の感覚や運動機能に影響を及ぼし、特に腹筋の一部麻痺や体温調節の困難さ(自律神経反射異常)につながることがあります。局在神経学において、体幹の感覚レベルを特定する際の重要な指標の一つです。 【図解】第14回講義ノート 図2:T6(胸椎6番)を境界とした筋群の分布 【図解】第17回講義ノート 図1:T6を境界とした屈筋抑制のメカニズム [神経系] 筋肉, 脊髄, 感覚, 運動, 自律神経, 臨床検査
- IML (あいえむえる) Intermediolateral Cell Column
- 脊髄の中間外側核。交感神経節前ニューロンの細胞体が存在し、内臓や血管への交感神経出力を調整する。大脳皮質からの加工性抑制(ブレーキ)を受けることで、自律神経のバランスが維持される。 [脊髄] 内臓, 脳, 脊髄, 自律神経, 血管・循環
- IML (あいえむえる) Intermediolateral nucleus
- 中間外側核。脊髄の側角に位置し、交感神経節前線維の細胞体が存在する。大脳皮質からの下降性抑制を受けており、この抑制が減弱すると交感神経が過剰に活動する。 [神経系] 脳, 脊髄, 痛み, 自律神経
- IML (アイエムエル) Intermediolateral Cell Column
- 脊髄側角の中間外側核。日中に光刺激が入ると視床下部を経て興奮し、交感神経性投射によってメラトニン合成酵素(NAT)に強力なブレーキ(抑制)をかける。メラトニン生成の神経回路における重要な制御点。 [神経系] 脳, 脊髄, 自律神経, 内分泌
- アドレナリン (あどれなりん) Adrenaline
- 副腎髄質から分泌されるホルモンで、交感神経系の活性化に関与する。夜間低血糖時に脳が危機を感知して放出し、交感神経を緊急発動させることで覚醒や心拍数増加を引き起こす。 [内分泌] 内臓, 自律神経, 内分泌
- EW核 (いーだぶりゅーかく) Edinger-Westphal nucleus
- エディンガー・ウエストファル核。中脳に位置し、副交感神経の中枢として瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する。対光反射や近見調節を担い、副交感神経機能の指標となる。 [神経系] 筋肉, 脳, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- ATP (えーてぃーぴー) Adenosine triphosphate
- アデノシン三リン酸。細胞のエネルギー通貨として機能する分子。筋肉の弛緩にはATPが必要であり、交感神経過緊張により血流が低下するとATP産生が阻害され、筋肉が硬化する。 [生化学] 筋肉, 痛み, 自律神経, 血管・循環
- HPA軸 (えいちぴーえーじく) Hypothalamic-Pituitary-Adrenal axis
- 視床下部-下垂体-副腎系。ストレス応答や内分泌調節に関与する神経内分泌系の主要経路。女性ホルモンの急激な変動が視床下部にストレス信号を送り、隣接する自律神経中枢にも影響を与える。 [神経系] 内臓, 脳, 自律神経, 内分泌, 情動・心理
- エストロゲン (えすとろげん) Estrogen
- 卵胞ホルモン。女性の生理周期や更年期において急激に変動し、視床下部への強力なストレス信号となる。隣接する自律神経中枢にも影響を与え、自律神経失調症状を引き起こす。 [内分泌] 脳, 運動, 自律神経, 内分泌, 情動・心理
- エディンガー・ウエストファール核 (えでぃんがー・うえすとふぁーるかく)
- 中脳に位置し、瞳孔の対光反射(縮瞳)を制御する副交感神経核。動眼神経(第III脳神経)の一部として機能し、光刺激に対する瞳孔の収縮反応を司る。 筋肉, 脳, 末梢神経, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- エディンガー・ウェストファル核 (えでぃんがー・うぇすとふぁるかく)
- 中脳にある動眼神経の副交感神経核。瞳孔括約筋と毛様体筋を支配し、対光反射と調節反射を制御する。 [神経解剖学] 筋肉, 脳, 末梢神経, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- 遠近調節 (えんきんちょうせつ) Accommodation
- 視覚における焦点距離の調整機能。遠方視では交感神経支配により瞳孔が散大し水晶体が薄くなり、近位視では副交感神経支配により瞳孔が縮瞳し水晶体が厚くなる。意図的に自律神経を操作できる稀有な窓口である。 [感覚系] 感覚, 自律神経, 眼・視覚
- 延髄外側症候群 (えんずいがいそくしょうこうぐん)
- ワレンベルグ症候群の別名。後下小脳動脈(PICA)または椎骨動脈の閉塞により延髄外側が梗塞する病態。同側の顔面感覚障害、対側の体幹・四肢の感覚障害、同側のホルネル症候群、小脳失調、嚥下障害などが生じる。三叉神経脊髄路核の障害により、オニオンスキン配置に基づく顔面の部分的な感覚障害が特徴的である。 【図解】第1回講義ノート 図1:三叉神経脊髄路核のコラム構造とオニオンスキン配置 [臨床神経学] 脳, 脊髄, 末梢神経, 感覚, 運動, 自律神経, 血管・循環, 嚥下・発声
- 嘔気 (おうき) Nausea
- 「吐きそう」という感覚で、咽頭レベルの疑核の反応に留まる状態。嘔吐とは異なり、横隔膜や肋間筋までを動員しない。第34回講義ノート「垂直系前庭神経路の臨床解剖」で詳しく解説。 [自律神経系] 筋肉, 感覚, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声
- 嘔吐 (おうと) Vomiting
- 実際に吐く行為で、横隔膜や肋間筋までを動員する広範な反射。嘔気とは異なり、脳幹の統合レベルが高い状態を示す。第34回講義ノート「垂直系前庭神経路の臨床解剖」で詳しく解説。 [自律神経系] 筋肉, 脳, 運動, 自律神経, 聴覚・前庭, 臨床検査
- 下降性抑制 (かこうせいよくせい) Descending inhibition
- 大脳皮質や脳幹から脊髄へ向かう抑制性の神経経路。IML(中間外側核)への下降性抑制が減弱すると、交感神経が過剰に活動し、自律神経失調状態を招く。 [神経系] 脳, 脊髄, 痛み, 運動, 自律神経
- ガッセル神経節 (がっせるしんけいせつ)
- 三叉神経の感覚神経節であり、側頭骨錐体部のメッケル腔に位置する。三叉神経の3つの分枝(眼神経V1、上顎神経V2、下顎神経V3)の感覚線維の細胞体が集まる部位であり、顔面の感覚情報を脳幹に伝達する前に中継される。三叉神経節とも呼ばれる。 [解剖学] 脳, 末梢神経, 感覚, 自律神経, 眼・視覚
- 顆粒球 (かりゅうきゅう) Granulocyte
- 白血球の一種で、交感神経の支配下にある。気圧の変化により顆粒球とリンパ球のバランスが揺さぶられ、低気圧時にはリンパ球が反応して炎症物質や不快感を増幅させる。 [生化学] 自律神経, 情動・心理
- 眼瞼下垂 (がんけんかすい)
- 上眼瞼が正常な位置より下がり、瞳孔を覆ってしまう状態。動眼神経麻痺による上眼瞼挙筋の機能低下や、加齢による腱膜の弛緩が原因となる。 [神経学] 筋肉, 末梢神経, 自律神経, 眼・視覚
- 眼輪筋 (がんりんきん) Orbicularis oculi muscle
- 眼の周囲を取り囲む筋肉で、瞼の開閉や表情形成に関与する。自律神経が整うと眼輪筋のトーンが正常化し、「目がパッチリ開いた」という実感が得られる。 [筋肉] 筋肉, 自律神経, 眼・視覚
- 疑核 (ぎかく)
- 延髄に位置する運動核。孤束核からの入力を受けて、横隔膜や胃への出力を行い、実際の「嘔吐」を引き起こす。迷走神経系の過剰反応はパニック障害などの一因となる。 [神経系] 筋肉, 内臓, 脳, 末梢神経, 運動, 自律神経, 嚥下・発声
- 起立性調節障害 (きりつせいちょうせつしょうがい) Orthostatic dysregulation
- 起立時に血圧や心拍数の調節がうまくいかず、めまい、立ちくらみ、朝の起床困難などが生じる状態。夜間低血糖による交感神経の緊急発動が朝の症状を悪化させる。 [神経系] 自律神経, 血管・循環, 聴覚・前庭
- 近見反射 (きんけんはんしゃ)
- 近くのものを見る際に瞳孔が縮小し、水晶体が厚くなる反射。中脳レベルの動眼神経核が関与する。左大脳皮質の機能低下では左右差が現れる。 [神経系] 脳, 末梢神経, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- 口蓋帆張筋 (こうがいはんちょうきん)
- 三叉神経が支配する筋肉で、嚥下時に収縮して耳管を開放し、中耳の内圧調整を行う。副交感神経性の耳神経節に近接しており、風邪などで機能不全を起こしやすい。 【図解】第1回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経解剖学] 筋肉, 末梢神経, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声
- 後根神経節 (こうこんしんけいせつ)
- 「後根神経節」の詳細な定義は準備中です。 自律神経
- 孤束核 (こそくかく)
- 延髄に位置する副交感神経の中枢核。視覚刺激(嫌悪感のある映像)から上丘を経て入力を受け、吐き気や嘔吐反射を引き起こす。孤束核での処理に留まれば「吐き気」で終わるが、疑核へ出力されると「嘔吐」となる。 [神経系] 脳, 運動, 自律神経, 眼・視覚, 臨床検査
- 孤束核 (こそくかく) Nucleus Tractus Solitarius
- 脳幹下部に位置し、迷走神経からの胸腹部臓器、咽頭・喉頭の感覚(内側部)と味覚(外側部)の入力を受ける感覚中枢。疑核と連携して、嚥下や嘔吐などの反射を制御する。第34回講義ノート「垂直系前庭神経路の臨床解剖」で詳しく解説。 [自律神経系] 内臓, 脳, 末梢神経, 感覚, 運動, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査
- 散瞳 (さんどう)
- 瞳孔が拡大した状態。動眼神経の副交感神経成分が障害されると、瞳孔括約筋が機能せず散瞳が持続する。 [神経学] 筋肉, 末梢神経, 自律神経, 眼・視覚
- CRPS (しーあーるぴーえす) Complex Regional Pain Syndrome
- 複合性局所疼痛症候群(ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん)の略称。軽微な外傷や神経損傷の後に、損傷部位を大きく超えた範囲に持続的な激しい痛み・浮腫・皮膚変化・自律神経症状が生じる難治性疾患。タイプ1(神経損傷なし、旧:反射性交感神経性ジストロフィー)とタイプ2(神経損傷あり、旧:カウザルギー)に分類される。IMLを含む中枢神経系の制御システムの破綻が主因とされる。 [病態生理学] 脊髄, 痛み, 運動, 自律神経, 臨床検査
- 耳管狭窄症 (じかんきょうさくしょう)
- 耳管が十分に開放されず、中耳腔の圧力調整ができない病態。口蓋帆張筋の機能不全、耳管粘膜の浮腫、鼻咽腔の炎症などが原因となる。中耳腔に陰圧が生じて耳閉感や難聴が生じる。副交感神経優位では耳管粘膜が浮腫し、耳管狭窄を引き起こす可能性がある。 [臨床神経学] 筋肉, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声
- 耳管閉塞 (じかんへいそく)
- 耳管が開放されず、中耳の内圧と外気圧が同期できない状態。口蓋帆張筋の機能不全や副交感神経過剰で生じ、耳の詰まり感を引き起こす。 [臨床神経学] 筋肉, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声
- 視床下部 (ししょうかぶ) Hypothalamus
- 間脳に位置し、自律神経系とホルモン系(内分泌系)の最高司令塔。体温・血圧・心拍・食欲・睡眠・性行動・ストレス反応などを統合的に調節する。痛み情報が視床下部に入力されると、心拍数上昇・血圧変動・ストレスホルモン(コルチゾール)分泌が促進される。閉経に伴うホルモン低下は視床下部を介した痛み抑制機構を弱め、50代以降の女性に不定愁訴が増加する一因となる。 [解剖学] 脳, 痛み, 自律神経, 血管・循環, 内分泌, 情動・心理
- 耳神経節 (じしんけいせつ)
- 副交感神経節の一つで、口蓋帆張筋に近接・経由する。涙腺や唾液腺の分泌調整にも関与し、代謝低下時に機能不全を起こす。 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経解剖学] 筋肉, 運動, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査
- 耳神経節 (じしんけいせつ)
- 舌咽神経からの副交感神経線維がシナプスを形成する神経節。耳下腺への分泌神経を中継する。 【図解】第28回講義ノート 図2:耳下腺アミラーゼ分泌と咀嚼反射の神経経路 【図解】第29回講義ノート 図2:耳管開放と口蓋帆張筋の神経経路 [神経解剖学] 筋肉, 末梢神経, 運動, 自律神経, 聴覚・前庭, 嚥下・発声, 臨床検査